
こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一(@alex_kyoto)です。
今回のタイトル
「腰が痛ければ、腰を忘れろ!」
は、第65代横綱の貴乃花(現 貴乃花部屋親方)の言葉です。
少し言葉のニュアンスが違うかもしれませんが、今から10年ほど前のNumberというスポーツ雑誌に、この言葉が掲載されていたのを見ました。
当時は、「なんて自分に厳しい人なんだ!」と思ったものです。
ですが今は、少し違った観点から見るようになりました。
平均体重が160k以上もある力士同士がぶつかるのですから、腰の故障を抱えていれば、腰が痛くないわけはありません。
痛みがあることを受け入れた上で、
相手に勝つためには、
「どのように動けば良いのか?」
「腰以外のどこの力を使って技をかければ良いか?」
ということを、極限のプレッシャーの中で、相撲と向き合うことで、生まれた言葉だと思います。
時にスポーツ選手は、ケガに不安を抱えながら、最高の結果を出すことがあります。
ある種の諦めが、身体に余分な負担をかけない効率的な身体の動きを引き出すのかもしれません。
ひと昔前のスポーツの世界では、とにかく数をこなし、限界まで身体を疲れさせた時に、余分な力みが抜けて自然な身体の使い方ができるようになるんだという考え方がありました。
それは、もちろん間違いではありません。
でもその方法だと、コツを掴むのが上手い人は上達しますが、いくらやっても上達しないという人も出てきます。
そして上達しない多くの人が潰れていきます。
そうであるなら、始めから誰もが効率的な身体の使い方を知り、その上で数をこなしていった方がより多く才能豊かな選手を生み出すことができるのではないでしょうか?
僕のレッスンでは、どこかに痛みがあったり思うように動いていない部分があると、その痛みのあるところ以外のところを意識して動かせるようにしましょう。とお伝えします。
一箇所に負担を集中させるのではなく、身体全体をバランス良く使えるようにするためです。
「腰に痛みがあるなら、腰のことを忘れろ!」
という言葉は、その考えに至る過程やアプローチは違いますが、似たような結論になっているのが面白いですね。
ちなみに腰に痛みがある方がレッスンに来られた場合は、「腰に痛みがあるなら、腰のことを忘れろ!」で終わらず、腰を楽にして動くための具体的な方法までしっかりとお伝えしています^^
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