こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。
先日、ピアノ調律ワークショップに参加してきました。
参加したワークショップの案内文がこちらです。
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調律は、音の中 にある摂理(自然倍音、唸り、振動数)を人間が心地よくなるように調律し、音色 (立体感)とタッチ(手感覚)を調和させることが仕事になります。
僕がこのワークショップで大事にしていて面白いと思う部分は音の中にある摂理と心の関係性です。
その為にも誰でも出来るピアノ調律の基礎は体感して貰います。
実際に聴いて、音と呼んでいた掴みきれない存在の実体を一つ一つ一緒に紐解いて行きます。
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身体の使い方を演奏家の方にレッスンすることも多いので、身体と音が共鳴(共振)し合っているということは体感していました。
音と身体の関係をより本質的に学べるのではないかと思い、このワークショップに参加してきたのですが、思っていた通りの内容で久しぶりに心が躍りました^^
講師の内田輝さんは、サックス奏者でクラヴィコードという鍵盤楽器の製作と演奏もしておられます。
内田輝さんの演奏動画
内田さんが、ピアノ調律をするようになったきっかけがとても興味深かったです。
内田さんは元々サックス奏者として活動されていたのですが、ある時左手が思うように動かなくなったそうです。
病院で検査をしても身体的には何も問題はない、でも演奏しようとすると動かない。いわゆるジストニアという症状です。
演奏活動ができなくなった内田さんは、最初は職を得るという目的からもピアノ調律を学ばれたそうです。
ピアノを調律しているうちに、調律で音を聴くことが音の捉え方を根本的に変化させることに役立つものだと気づいて、それを左手の動きを回復させることに応用して自力でジストニアの症状を治したそうです。
素晴らしい演奏家は研究者でもありますね。
この話には、色んな可能性が含まれていると思います。
一つは、音の捉え方が変わることで、身体の状態が変わるということ。
内田さんは、左手の症状が出ていたのは、ストレスが原因だったとおっしゃっていました。
ここからは僕の解釈ですが、なぜ演奏する時にストレスがかかるかといえば、それは、音に対する反応の仕方、捉え方が自分にストレスをかけている。
だから音に対する捉え方の先入観を外し、ニュートラルな状態で音を聴くようにすれば、そのストレスはなくなる。
ピアノの調律を通して、そのように音と身体の関係を探求しながら、自分で治していかれたのでしょうね。
ジストニアだけでなく、様々な原因不明と言われる症状に対しても大きな可能性を持っている方法だと思います。
ワークショップでは、ピアノの音を聴くだけでなく、周りに聞こえる全ての音を聴いてその音が、身体とどう関係しているかを観察するなど、とても興味深い内容でした。
ピアノを調律する時も、周りの空間に存在する全ての音を聞きながら行うのが大切だったりと、アレクサンダーテクニークのレッスンでお伝えすることと共通することもたくさんあって、面白かったです。本質的なところはやっぱり同じなんだなあと。
ワークショップの詳しい内容については、実際に体験して実感してほしいとおっしゃられていましたので、ここで詳しくお伝えすることはできませんが、本当に全ての音楽家の方に是非体験してほしい内容です。
音や音楽に対する捉え方が、根本的に変わると思います。
内田輝さんは名古屋在住なのですが、時々全国でワークショップを開催されているようです。
興味のある方は是非、一度体験してみてください。
PS:
自宅のピアノをこれから早速調律していきたいと思います。
ライフワークとして探求するものが、また一つ見つかりワクワクしています^^
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