肩コリの正体

こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。

今回は肩コリの正体とその改善方法についてご紹介します。

一口に肩コリと言っても、色々なタイプの肩コリがあります。

ある人は、首の付け根の辺りに凝りを感じていることを肩コリと言い、また別の人は、肩甲骨の上部に違和感を感じていることを肩コリと言います。

そもそも肩コリとは何でしょうか?

肩コリの正体

実は解剖学(骨格)的には肩という部分は存在しません。

一般に肩と言われる部位の骨格を見てみましょう。

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肩コリが発生すると言われる部分の骨格を見てみると、頸椎の下部周辺、鎖骨、肩甲骨の上部のあたりになるでしょう。

鎖骨・肩甲骨というのは、腕構造の一部です。

腕を動かしているとき、もう一方の手で鎖骨の部分を触れると、一緒に動いているのが分かると思います。

つまり、肩コリを骨格からみた場合、頸椎(脊椎)と、腕(鎖骨、肩甲骨、上腕、前腕、手)の使い方が関係していると言えそうです。

ここで、これらの骨格の構造の関係性を考えてみます。

まずカラダの中心には、脊椎(頸椎、胸椎、腰椎)があり、そのてっぺんで頭がバランスしています。

胸椎は肋骨とつながっていて、肋骨の上では、鎖骨と肩甲骨がバランスしています。(腕構造全体が肋骨の上でバランスしている。)

これらのことから、肩コリを引き起こすのに大きく影響しているのは、

①頭と脊椎の関係性

②肋骨(胸椎とつながっている)と腕構造(鎖骨・肩甲骨を含む)の関係性

だと言えそうです。

これらの関係性に変化を起こすヒントを書いてみますので、是非意識してみて下さい。

●脊椎のてっぺんは耳と耳の間、鼻の奥のところまできています。両耳に触れて、脊椎のてっぺんの高さを思いましょう。

●その脊椎のてっぺんの上で頭がバランスしています。頭のてっぺんに触れ、頭のてっぺんから天井までの距離がどれくらいあるか思ってみましょう。頭の後ろ側(後頭骨)に触れ、頭の後ろは脊椎よりけっこう後ろにあることを思いましょう。

●肋骨は胸椎とつながっています。肋骨には前側、後ろ側、上側、下側、横側があります。実際に手で触れてみてください。そして呼吸とともに、肋骨は拡がったり小さくなったりします。

●そしてその肋骨の上で、鎖骨、肩甲骨がバランスしています。カラダの中心から左右にひろがっていく鎖骨、肩甲骨、前腕、上腕、手まで含めた腕構造全体を思いましょう。

頭と脊椎と肋骨と腕構造のバランスに何か変化は起こりましたか?

肩コリ解消エクササイズ①

一般的に肩コリが発生すると言われる部位の筋肉の働きを見てみると、大きく分けて頭・首を動かす為の筋肉①と、腕(鎖骨・肩甲骨・上腕・前腕・手を含めた)を動かす為の筋肉②に分けられます。

①の頭・首を動かす為の筋肉は、頭と脊椎全体のバランスに大きく関係しています。

これらの筋肉を適切なバランスにする為のエクササイズを紹介したいと思います。

前回お伝えしたように、頭が脊椎のてっぺんでバランスしているところは、
だいたい耳と耳の間で鼻の奥のあたりです。

ここで左右の耳たぶの裏少し上にある小さなでっぱり、乳様突起と言われるところに
左右の中指でそれぞれ軽く触れて下さい。

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wikiperiaより

だいたいその内側で頭が脊椎のてっぺんでバランスしています。

それでは、今触れている左右の乳様突起の辺りから、頭を動かして見ましょう。

目は開けたまま、回りの景色を見ながら、まずは下を見ます。ゆっくり動かしましょう。

ゆっくり正面に戻ってきて、次は上を見ます。

無理せずに楽に動かせる範囲で動かしましょう。

何度かやっている内にだんだんほぐれてきます。

左右の動きもやってみましょう。

右の乳様突起を、右の中指で軽く押せば、頭は左に回転します。

目を開けて、回りの景色を見ながら行いましょう。

今度は左の中指で、左の乳様突起を軽く押してみます。

そうすると、頭は右に回転します。

この左右の動きも何回かやってみましょう。

動きがだんだん滑らかにできるようになるのが分かると思います。

他にも、乳様突起に触れながら、頭を左右に側屈してみたり、斜め前や、斜め後ろに動かしたり、色んな動きができます。

色んな方向に動かしてみるほど、頭と脊椎の関係も楽で自由になります。

色々試してみて下さい。

さあ、このエクササイズを行う前と比べて、頭と脊椎の関係はどう変わったでしょう?

姿勢に変化はありませんか?

今、肩コリ、首コリの状態はどうですか?

肩の筋肉

ご紹介した脊椎のてっぺんから頭を動かすエクササイズを行うと、頭と脊椎のバランスや姿勢、肩の感じになんらかの変化が起こったと思います。

ここでこのエクササイズを行うことで、何が起こるのか首肩周辺の筋肉を通して見ていきましょう。

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上の図は僧帽筋(俗にいう肩コリ筋)を横から見た図と後ろから見た図です。

もう一つ、近くにある肩甲挙筋の絵
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これらの筋肉は脊椎のてっぺんでバランスしている頭を支えている筋肉ではありません。(姿勢制御筋ではない!)

主に肩甲骨を動かしたり(腕を動かす筋肉!)、首を動かしたりする筋肉です。

でも例えば、頭が脊椎の中心より前に行っていると、(いわゆる猫背姿勢)これらの筋肉は頭が前に行き過ぎるのを防ぐ為に四六時中は働きっぱなしになります。

つまり本来の役割と違う働きをしまっているので、筋肉がコリッコリになってしまうんです。

では頭を脊椎の上でバランスさせるには本当はどこの筋肉が働く必要があるのかというと、それはよりカラダの中心に近い筋肉達です。

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上の方は頭板状筋、下の図は胸鎖乳突筋です。(もちろん他にもたくさんありますが、主な例として紹介します。)

今回お伝えしたかったことは、頭と脊椎のバランスをとる為の筋肉(姿勢制御筋)に本来の仕事をさせてあげれば、肩コリが起こるのを防ぐことができるということです。

腕を楽に使うのに役立つ筋肉のイメージ

今回は腕構造を動かす筋肉達はどこなのかというお話をしたいと思います。
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上の図、前回もお話した肩コリ筋の代表、僧帽筋です。

これももちろん腕(主に肩甲骨)を動かす為の筋肉です。

でもこの筋肉だけに頼るとしんどいです。

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そこで他にも腕を動かすときに活躍してもらいたいものが広背筋!

よく見みると、広背筋は腰骨の上のあたりと、仙骨のところから付いています。

胴体のかなり下の方から腕を動かす筋肉はついているんです。

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そしてカラダの前面には大胸筋があります。これも腕を動かす筋肉です。

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最後に上の図を見て下さい。肋骨から上腕骨(赤い部分)の間に結構スペースがあるのが分かりますよね。

骨だけで見ると分かりやすいのですが、普段はこのスペース、筋肉で隠れていて忘れがちです。

剣道では竹刀をもつとき、脇の下に卵(玉)があると思って、卵が割れないように竹刀をふりなさいさいと教えたりすることもあるそうです。

カラダの構造に沿った合理的な教え方だと思います。

このスペースのことを忘れると、腕を動かす筋肉達が不必要に縮んでしまいます。

腕を動かすとき(動かさないときもですが)は、脇の下にスペースがあること、背中の下の方から付いている広背筋や、大胸筋のことも思い出しつつ、動かしてみましょう。

きっといつもより楽に腕が使えると思います^^

アレクサンダーテクニーク京都・大阪・名古屋
講師 土橋健一
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