かけがえのない体験を味わう

こんにちは、身体研究家アレクサンダーテクニック教師の土橋です。

今回は「かけがえのない体験を味わう」というテーマでお伝えします。

僕のレッスンではパフォーマンスをする方に体の使い方をお伝えすることが多いです。

例えば歌う方が、思うような声を出せないという悩みに対して、声についての効果的な身体の使い方の情報をお伝えします。

そうすると、出したかった声が楽に出るようになるといった変化が起こります。

このとき、確かに変化はしているのだけどその変化したことをあまり受け取らない、あるいは、変化したらすぐに次の課題に移ろうとする、という方がいらっしゃいます。

これは僕の伝え方がその方にとって受け取りにくかったという要因もあると思います。

ですがそれだけでなく、その方が変化して起きた体験をしっかりと感じることができていないということが根本的な原因になっている場合が多いです。

起きたことをしっかりと感じられていないと、 どうなるかというと、一時的に問題が解決しても、しばらくするとまた同じような課題が出てきて、 また同じ行動を繰り返してしまうということが起こります。

あなたもこんな経験はありませんか？

仕事でいつも同じような場面でミスをする。同じような苦手なタイプの人と出会って関係がこじれてしまう。

こういったことが起こる要因の一つには、その一度体験したことを十分に受け取って消化できていないということがあるように思います。 

体験を感じられていないから気づきもないし、変化が起きていたとしてもその変化に気づかずスルーしてしまっている。 

体験したことが本質的な変化に繋がっていかないので、同じ状態にとどまり、次のステップに進んでいけないということがあります。 

何が言いたいかというと、

何かをやってみて起きたたこと、
今起きていることをしっかりと味わいましょう。 

ということです。

行動して起きたことが良い結果でも悪い結果でも一つの体験としてそのまま受け取るようにしたいんですね。 

　このように私たちが、体験を受け取る、感じることを十分に出来なくなっている要因の一つにこれまで受けてきた教育が関係していると思っています。

おおまかに言うと成功するのが良くて失敗するのは悪いという教育もそうですし、資本主義社会の中ではやはり売り上げを上げるとか、 結果を出すということで評価されます。

良い結果を出せない人はダメだという社会通念が浸透しているように思います。 

でもこれはあくまで現代の資本主義社会や教育の中で重視されているだけで、 社会制度の仕組みがガラッと変わったら、全く別のことが正解になるかもしれません。 

例えば、あるコーチングスクールでは、チャレンジすること自体を重視してチャレンジして失敗したら、ナイスチャレンジ！とお互いに声を掛け合うことを文化にしています。

　成功か失敗かを考える前に、人が豊に生きるということを考えた時、ただ体験すること自体が喜びであることが大切だと僕は思います。

成功しても失敗しても自分がやりたいと思って準備してやったことに対して、 どういう結果になってもその体験をそのまま受け取り味わうこと。

それが生きることそのものに対する喜びにつながっていくのではないかと思います。 

一つ一つの出来事を味わっていくことで人生が豊になるし、また現実をしっかり受け止めることで否定的な思いに囚われることが少なくなるので、結果として望むパフォーマンスも実現されやすくなります。

是非あなたも成功も失敗も、喜びも痛みもしっかりと味わってみるということを意識してみてください。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。