こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。
「音楽が自分の方に流れてくると思ってみて」
まだアレクサンダーテクニークの学校に通っていた頃、アメリカ在住のアレクサンダー界の重鎮トミー・トンプソンさんが生徒さんとのレッスンの中で言っていた言葉です。
その時は、ぶっ飛んだことを言う芸術的な先生だなーと思っていました。
でも、今実際にレッスンをしていると、ふとそんな言葉を思い出すことがあります。
目の前にいる生徒さんをみて、学びの段階やこの生徒さんなら受け取る準備ができているなと思った時は、その時浮かんだ言葉を伝えます。
先日のピアノ講師さんとのレッスンでのやり取りです。
僕「音楽が自分の方に流れてくると思って演奏してみてください」
生徒さん「、、、」
僕「どこまで流れてくる感じがしますか?」
生徒さん「肩の辺りで止まっている感じです。」
僕「今、身体について何か気づくことはありますか?」
生徒さん「呼吸を止めていたのに気付きました。」
僕「それでは呼吸し続けていることを思い出してもう一度弾いてみましょう。」
そうすると、音楽が身体の中心の方まで流れてきて、音色も良くなったのが生徒さん自身も実感できたようでした。
このやり取りだけを見ると、少し不思議なレッスンですが、
「音楽が自分に流れてくる」ということをもう少し理論的に説明したいと思います。
昔、理科で作用・反作用の法則という話を習ったと思います。
簡単に言うと、力を加えると同じ力が返ってくるという話ですね。
ピアノを弾くときも同じように、鍵盤を下げるとその下げた力と同じ力が自分の方に返ってきます。
この返ってくる力・エネルギーのことを「音楽が自分に流れてくる」と考えてみても良いかもしれません。
そう考えると、「音楽が自分に流れてくる」という考えも、そんなにぶっ飛んだ考えでもなく、シンンプルな物理的現象です。
ピアノだけでなく、どんな楽器を演奏する時も使えるアイデアだと思います。
もっと言うと、日常のあらゆる動作に応用可能です。
料理を作る、人に話す、字を書く、私たちが何かに働きかけると必ず返ってくるエネルギーが発生します。
「◯◯が自分の方に流れてくる」
演奏や日常でこのアイデアがどう使えるか?そう思った時にどんな変化が起こるか?
是非実験してみてください^^
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