こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。
今回は、アレクサンダーテクニークの創始者であるF・M・アレクサンダーさんがどうやって、このアレクサンダーテクニークの原理を発見し、発展してきたかというストーリーをお伝えしながら、このレッスンの特徴的な考え方についてお伝えします。
治すのではなく反応の仕方を変える
<アレクサンダーさんの物語>
アレクサンダーさんは、オーストラリアで若い俳優として有望なスタートをしました。
ですが、ある日から舞台上で声が出なくなる不調に襲われるようになりました。
しばらく安静にしていると、だんだん声は出るようになってくるのですが、舞台で声を出そうとすると再び症状が表れます。
医者に行ってもお手上げ状態でした。
このことからアレクサンダーさんは、身体自体に問題があるのではなく、声を出そうとする行為のやり方に問題があるのだと考えました。
鏡を使って、自分が声を出しているところを観察すると、声を出そうとする瞬間に首を縮めていることを発見しました。
声を出す時に首を縮めることで頭が重たくのしかかり、声帯を圧迫していたのでした。
それと反対に、首が楽で、頭と脊椎のバランスが良いと声が楽に出ることにも気づきました。
この発見がアレクサンダーテクニークの始まりです。
舞台で声を出すというプレッシャーがかかる場面で、首を縮めるという反応をしていたことが、やろうとしてたことの邪魔をしていたのでした。
このように緊張する場面では、身体の反応は顕著に表れます。
でも、実はそうでない日常の何気ない場面でも私たちの身体は反応しています。
食事をするとき、人と話すとき、パソコンをするとき、何らかの刺激に対して私たちの身体は影響を受け、それに対して反応します。
そして外から影響を受けたときに、私たちはそれに対する反応の仕方を自分自身で選ぶことができます。
首を縮める等、身体に負担のかかるやり方で反応することもできれば、首は楽なまま、やりたい動きを楽に自由に行うこともできます。
私のレッスンでは、痛みや不調など身体に何らかの症状があっても、身体にどこか悪いところがあるとは考えません。
物事に対する、あなたの反応の仕方が症状を引き起こしていると考えます。
私たちの身体は完璧にデザインされています。
だからそもそも治すところもありません。
ただ私たちの反応の仕方が、問題を引き起こしているように見えるだけです。(この考え方が万能というわけではありません。ただ僕のレッスンではこのような考え方でアプローチをしているということです。)
反応の仕方が変われば、起きることも変わります。
レッスンでは、あなたが何かやりたいことを行うときに無意識にしてしまっている反応(癖)に気づき、それを手放すことで、自然に表れる身体の本来の楽で自然な動きをお伝えしています。
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