呼吸することを頭で手伝っていませんか?

こんにちは、身体研究家・アレクサンダーテクニーク教師の土橋です。

今回は、「呼吸することを頭で手伝っていませんか?」というテーマでお伝えします。

呼吸は大切だとか、色々な呼吸法をやると良いと言う話がありますが、まず今回の呼吸の話を知る前にいきなり呼吸法に取り組むのはお勧めしません。

呼吸の本質を知っていないとむしろ逆効果になってしまうかもしれないからです。

呼吸を意識したり、呼吸法に取り組む前に自然な呼吸の仕組みを知っておくことが大切です。

呼吸に関心のある人は是非お読みください。

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呼吸は意識するのが良いか?しないのが良いか?

基本的に呼吸は意識しなくても身体が勝手にやってくれているものなので、普段は呼吸についてあまり意識することはないという方が多いと思います。

寝てる時には誰でも意識がなくなりますから、当然無意識に呼吸が行われています。

本来自然な呼吸は身体が勝手にやってくれているのが自然な状態です。 では、勝手に身体がやってくれているのだから、呼吸のことはほおっておけば良いのか?というとそういうわけでもありません。

無意識にしている呼吸が浅くなっていて、上手く働いてくれていない場合があるからです。

正確にいえば呼吸は全身運動なので、全身が適切に働いて完璧に自然な呼吸が出来ているという人は一人もいないといっても良いかもしれません。

呼吸への関心3タイプ

ここで呼吸についてはいろんな関心のレベルの人がいて、大きく3つに分かれます。

1つ目のタイプは、呼吸に無関心な人。呼吸への意識がほとんどない人です。

2つ目のタイプは、自分の呼吸について関心がある人。歌手や吹奏楽を演奏する人、身体のトレーナー、あるいは呼吸が浅いなと感じている人は呼吸について意識が高いです。

このタイプの人は、呼吸を意識的にコントロールしようとする癖があることが多いです。

3つ目のタイプは、息が自然に流れている、自然に入ってきて出ていく息の流れにただ気づいている人です。

この3つ目のタイプの人が僕の考える日常生活の中での理想的な呼吸の状態です。

どうして3つ目が理想的だと言えるのか?どうやったらその状態なれるのか解説していきます。

呼吸への関心3タイプの特徴

1つ目の呼吸に無関心な人の場合、呼吸に対して無意識なので、楽に自然に呼吸が出来ているのか出来ていないのかそもそも分かりません。

自然に呼吸が出来ていれば問題ないのですが、先にもお伝えしたように、無意識にバッチリ自然な呼吸が出来ているということはほぼないと思います。

2つ目の呼吸に対して意識が高い人は、普段から意識的に呼吸をしようとしている場合があります。

例えばあるヨガの先生は、「普段から仕事で呼吸が大切だ。深く長く呼吸できるのが良い」と生徒さんに伝えているとします。

そうすると、先生自身も普段から深く長い呼吸をしようと思って意識的にコントロールしようとします。

このことを僕は呼吸を(頭で)手伝っている状態と呼んでいます。

呼吸することに、思考(頭・意識)を使っている状態です。

呼吸に思考(意識)を使うことが癖になっているとどうなるかというと、呼吸だけに意識を向けられている間は良いのですが、何か作業をするとき、その作業に思考(意識)を使うので、呼吸に思考(意識)を向けることができず、作業をしている時には、呼吸が浅くなったり、止めがちになったりします。

でも本来呼吸は身体が勝手にやってくれているものです。

なので日常生活においては呼吸を手伝わない、身体に任せるということが大事になります。

それが3つ目の息が自然に入ってきて出ていく、流れている状態です。

この状態なら、何か作業をしているときに呼吸が浅くなるということもありません。

では、どうすればこのような状態になれるのか?具体的な方法をお伝していきます。

息が自然に流れている状態にする方法

①呼吸を観察する

まずは、息の流れを観察することです。

息が鼻・口から入ってきて、どのように出ていくのか?ただ息の流れを観察します。

また呼吸を手伝っていないか?という観点でも観察してみてください。

②胸郭の動きを感じる

呼吸を意識的に手伝わないと言う理由は、呼吸の仕組みからも説明できます。 その呼吸の仕組みとは、呼吸は身体(胸郭)の内と外の気圧差による空気の移動だというものです。

つまり吸おうと思うから吸える、吐こうと思うから吐けるわけではなく、 胸郭(肋骨と横隔膜で囲まれた胸の空間)が動くから吸ったり吐いたりできるということです。

吸う:胸郭が拡がり胸郭内の圧力が下がり息が入ってくる

吐く:胸郭が縮まり胸郭内の圧力が上がり息が出ていく

もっと簡単に言うと肋骨と横隔膜が楽に自然に動いていれば自然に呼吸ができると言えます。

<肋骨の動きを感じるお勧めの方法>

胸の真ん中に手のひらを置き、背中に手の甲を置きます。

そして前後の手と肋骨の接触を同時に感じて、肋骨の動きを感じます。 肋骨は前側だけでなく、背中側も動いています。肋骨が動いているのを感じられると胸郭が拡がり呼吸がしやすくなるのが分かると思います。

胸にヒモを巻く 90cmくらいの手芸紐を用意します。背中から巻いて、胸の前で軽く結んで止めておきます。

肋骨の内部の空間が安定し肋骨全体の動きが感じられる為、呼吸がしやすくなります。

詳しくはヒモトレ参照

①か②の状態で呼吸の流れを観察してみてください。

自然に呼吸が流れているという感覚が分かりやすいと思います。

それでも呼吸を手伝ってしまうという人は、一度呼吸を止めて身体の内側から拡がってくる動きを待つという意識を持ってみてください。

呼吸を止めることで身体の内側に内圧が上がり、内側から拡がりやすくなります。 ポイントは身体の内側から外側に拡がっていく動き、身体の内側の空間を感じることです。

シンプルに言えば身体の内側にしっかりと空間(腔)が保たれていれば、呼吸は自然に楽に出来ます。

呼吸は胸郭の運動だということを覚えておいてください。

<補足>

意識的に呼吸をトレーニングをすることが間違いだと言っているわけではありません。

意識的な呼吸法ももちろん有効です。

意識的な呼吸も深まってくると、頭が静かになって、無意識に呼吸が流れているという意識の状態(瞑想的な)になります。

おすすめは、日常生活で快適に呼吸が出来ているということを目指すのであれば、始めは意識的に行う呼吸から始めて、集中が深まっていくことで、呼吸が流れている状態になるところを目指していくと良いと思います。

今回はどうやったら 自然な状態で呼吸が流れていくという状態にしていけるのかという話についてお伝えしました。

参考になるところがあれば幸いです。 最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

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はじめまして、姿勢と体の使い方指導アレクサンダーテクニーク講師の土橋です。

アレクサンダーテクニークとは楽で自然な姿勢や体の使い方を教えるレッスンです。

京都を拠点に活動し、現在はオンラインでもレッスンを行い、80名以上が参加するオンライン体操教室も主催しています。

これまで延べ1000人以上の方にレッスンを行ってきました。

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