「胸を張って姿勢を良くして」の問題点と正しい姿勢の考え方

こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋です。

「胸を張って姿勢を良くしましょう!」 この言葉を、小さいころから何度も聞いたことがあるのではないでしょうか?

私自身、小学校の頃から猫背ぎみだと家や学校で「胸を張って姿勢を良くしなさい!」とよく注意されていました。

しかし、胸を張ることで本当に姿勢は良くなるのでしょうか?

胸を張ることで起こる問題

猫背の人が「胸を張る」ことを意識すると、一時的には背筋が伸びて姿勢が良くなったように見えるかもしれません。 しかし、数分も経たないうちに元の猫背に戻ってしまうことがほとんどです。

なぜなら、多くの人が「胸を張る」ために 肩甲骨を引き寄せる という動作をしてしまうからです。

肩甲骨を寄せると、確かに胸は広がったように見えます。しかし、実際には 腕が後ろへ引っ張られ、胸椎(背中の中央部分)の自然なカーブが崩れてしまう のです。

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また、本来 腕は体の前側で動かすようにデザイン されています。日常動作の多くは、視界の中で行う方が自然でスムーズだからです。

試しに、腕を伸ばして視界に入る範囲(主に前や斜め前)で動かしてみてください。 次に、視界の外(横や斜め後ろ)で動かしてみると、明らかに後ろ側は動かしにくいことが分かると思います。

肩甲骨を寄せることで、 本来前側で動かすべき腕が後ろへ引っ張られ、効率の悪い姿勢 になってしまうのです。

さらに、「胸を張ろう!」とすると、 胸を持ち上げる ことを同時に行いがちです。これにより、

  • 胸椎の前向きの自然なカーブが失われる

  • 腰の反りが強くなり、腰に負担がかかる

結果として、この姿勢を維持するのが辛くなり、すぐに元の猫背へ戻ってしまうのです。

正しい姿勢へのアプローチ

では、猫背の人が姿勢を良くするにはどうすれば良いのでしょうか?

実は、猫背の本当の原因は 「胸」ではなく「頭の位置」 にあります。

本来、頭は 脊椎(背骨)のてっぺんで自由にバランスしている状態 が理想です。 しかし、猫背の人は 頭を脊椎の前下へ落としすぎている ため、結果として背中が丸くなり、猫背のように見えてしまいます。

姿勢を良くするための意識

姿勢を良くしたいとき、まず意識すべきは 頭が脊椎のてっぺんでバランスしていること です。

脊椎のてっぺんは、 耳と耳の間、鼻の奥あたり にあります。 実際の頭の位置は、自分が思っているよりも 高い場所 にあるかもしれません。

簡単なエクササイズ

  1. 「頭が脊椎のてっぺんで自由に動ける」とイメージしてみる。

  2. 頭の上や横、後ろを指先で軽くトントンと叩いてみる。

  3. 「頭はここにあるよ」と、自分の体に教えてあげる。

この意識を持つことで、 脊椎が自然に長くなり、胴体が伸びて肩が左右に広がる のを感じられるでしょう。

まとめ

「胸を張る」ことは、一時的に姿勢が良くなったように見えるだけで、長続きしません。

代わりに、 頭が脊椎のてっぺんでバランスすることを意識する ことで、

  • 無理なく姿勢が整う

  • 胴体が長く広くなる

  • 肩が自然に広がる

という理想的な状態が生まれます。

アレクサンダーテクニークの考え方を取り入れて、 無理のない、自然な姿勢 を目指しましょう!

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