こんにちは、土橋です。
昔ある外国人のアレクサンダーテクニークの先生が言っていました。
「人間には3つの首があります。首、手首、足首です。どれもとても大切なところです。」
英語では、首のことをネック、手首のことをリスト、足首のことをアンクルとそれぞれ全然違う名前がついています。
日本語ではこんなふうに関連づけて名前がついているのは、素晴らしい人間の体の特徴をよく掴んでいるというようなことを言っていたと思います。
アレクサンダーテクニークのレッスンでは、首が楽であることを大切に考えていますが、最近では手首や足首の状態、使い方も大切だなーと考えるようになりました。
レッスンをしていて手首を固めている人がたくさんいることに気づきます。
人のほとんどの動きは手を使うので、力が入りやすいのも仕方ないのかもしれません。
手首に力が入る傾向として多いパターンは、親指側に力が入っていることです。
そうすると指や手首、腕に必要以上に力が入りやすくなり、胴体の力を上手く手に伝えることができなくなります。
というのは、本来胴体とのつながりが強いのは、小指側だからです。
下の図を見てください。
一番右の骨の絵を見ると、上腕の骨と前腕の尺骨という骨ががっちりはまっているのが分かります。
一番左の絵を見ると、この尺骨の延長上に小指や薬指が来ているのが分かります。
そして尺骨は肩甲骨、鎖骨とつながり、鎖骨は胸の前の胸骨で関節を作っています。
ですので、胴体とのつながりが強いのは、親指側ではなく、小指側になります。
ゴルフのクラブを握るとき、バットを握るとき、竹刀を構えるとき、どの場合でも、小指側から握るようにしましょうと教えられます。
その方が胴体の力を手に伝えれるからです。
体の構造として理にかなっていますね。
ですが、私たちの日常生活ではどうでしょう。
パソコンをしている時、洗い物をしている時、荷物を持つ親指側に力が入っていませんか?
パフォーマンスをする時も同じです。
スポーツをするときほど力は必要ないかもしれませんが、演奏をするとき、ダンスをするとき小指や薬指側を意識することで、動きも楽になるし美しくなります。
小指側を意識するときに役立つ体の使い方は回内・回外の動きを意識することです。
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尺骨を中心に橈骨が回転する回内・回外の動きを意識することで、手首に余分な力が入りにくくなります。
もう1つは、手の真ん中(掌心)に力が集まるようにすることです。
手のひらの真ん中が凹むように親指の付け根と小指の付け根(MP関節)を近づけるようにします。
そうすると手の真ん中が凹むと思います。だいたいで良いです。
そういう力の使い方を意識していると、親指のグッと力が入ったことに気づけるようになってきます。
力が入っているのに気づいたらやめるようにしましょう。
手や手首に起こる問題の多くは、親指優位の手の使い方が関係しています。
是非意識してみてください。
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