肺の大きさがどのくらいあるか知っていますか?〜呼吸の誤解〜

こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。

今回は呼吸についてお話しします。

歌う方や管楽器を演奏される方はもちろん、どなたにも楽で自然な呼吸をするのに役立つと思います。

肺の大きさはどのくらい?

呼吸についてお伝えしたいことはたくさんありますが、まず知っておきたいのは肺の場所と大きさについてです。

あなたは、肺がどこにあり、どのくらいの大きさがあるか知っていますか?

一度両手で自分の肺の大きさを形作ってみて下さい。

どうですか?どのくらいの大きさをイメージしていましたか?

その肺の大きさをイメージしたまま、一度肺が空になるまで吐ききって、ゆっくり限界まで空気を吸って下さい。

そのときに体のどこがどのように動いて膨らんだか覚えておいて下さいね。

では実際の肺の場所と大きさを見てみましょう。

下の図を見て下さい。肺を前から見た図です。(ネッターより)
肺の前
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肺を後ろから見た図。(ネッターより)
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最後に横から見た図です。(http://www.zygotebody.comより)
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肋骨の上、前、横、後ろ側いっぱいに肺が拡がっているのが分かりますね。

思っていたより大きかったのではないですか?

これらの図をじっくり見て、自分の肺の場所と大きさのイメージを修正して下さい。

それでは、さっきと同じようにゆっくり深呼吸して下さい。

そしてもう一度体のどこがどのように動いて膨らんだのかを観察してください。

どうですか?

さきほどと比べて胸の上の方や、鎖骨の辺り、わきや背中側などがより大きく膨らんだのではないでしょうか?

もしそうだとしたら、今まであなたは肺を実際より小さくイメージしていたんです。

ということは、無意識のうちに呼吸が浅くなっていた可能性があります。

深く自然な呼吸をする為に、まずは肺の場所と大きさを思い出してみて下さい。

呼吸のしくみ

この呼吸のしくみについて正しく理解しておくことで、息を吸うときにおきる余計な緊張を少なくすることができます。

呼吸とは、簡単に言えば肺の中に空気が入ってきて(吸気)、肺から空気が出ていく(呼気)ということです。

それで、この空気の出入りがどうして起こるかというと、空気は気圧の高い方から低い方へ流れていくという性質が関係しています。

吸うときは胸郭(肋骨、胸椎、胸骨で囲まれた胸の壁)が拡がって肺の気圧が下がるので、空気が肺に入ってきます。吐くときは、胸郭が狭くなって肺の気圧が高くなるので外へ空気が出て行きます。
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(胸郭 weblio辞書より)

つまり、息を吸うことは、鼻や口からグイーッと吸い込むから息が入ってくるのではなく、胸郭が拡がるから息が入ってくるのだということです。

以下の2つの実験を試してみて下さい。

①鼻からグイーッと勢いよく息を吸い込む

②胸郭全体(胸の前、横、後ろ、下)が拡がることで息が鼻から入って来ると思って息を吸ってみる。

どちらが、楽にたくさん吸えたでしょうか?

おそらく②の方になったと思います。

マラソン選手や、水泳選手を思い出してみて下さい。このような激しいスポーツでは効率的にたくさん酸素を取り入れることが必要です。

でもテレビに映るような活躍をしている選手で、鼻や口を緊張させて思いっきり息をグイーッと吸い込んでいるような人はあまりみないですよね?

こういう選手達は息の吐き方が上手なんです。

息を吐くと空気は自然に肺に入って来ます。

スポーツ選手はこの呼吸の反射のを働き上手く利用しているんですね。

呼吸については、肺本来の大きさを認識する、そして息は胸郭が拡がることで入ってくるということを是非思い出してください。

息を吐くことについては下記の記事を参考にしてください。
「お腹に力を入れて吐く」の誤解〜息の通り道と流れを知ろう!〜

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ブログを読んで頂きありがとうございます!

はじめまして、姿勢と体の使い方指導アレクサンダーテクニーク講師の土橋です。

アレクサンダーテクニークとは楽で自然な姿勢や体の使い方を教えるレッスンです。

京都を拠点に活動し、現在はオンラインでもレッスンを行い、80名以上が参加するオンライン体操教室も主催しています。

これまで延べ1000人以上の方にレッスンを行ってきました。

主に腰痛や肩こりなど体の不調に悩む方に、体の痛みが起こらない姿勢や動き方を教えたり、音楽家やアスリートなどのパフォーマーに体を痛めることなくパフォーマンスを最大限発揮する体の使い方をお伝えしています。

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