こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。
先日生徒さんから、こんな質問がありました。
「弾いていて気づかない間にテンポが速くなってしまうところがあるんです。」
自分では無意識の間にテンポが速くなってしまうところがある。
その原因の一つは、よく言われるように「音を聞いていないから」です。
でも本人は「聞いている」つもりです。
では、ここでの「聞いている」とはどういう状態なのでしょうか?
私がレッスンをしていて「音が聞けていない」ように見える時が大きく分けて二つあります。
一つは、運指などに音以外のことに意識がいき過ぎている時。
もう一つは、音を聞こうとし過ぎている時です。
どちらにも共通して言えることは、自分の身体から意識が離れていることです。
音以外のことに意識が向きすぎている時に、音を聞いていないのは当然ですが、音を聞こうとし過ぎて音が聞こえなくなるのは意外だったのではないでしょうか?
そもそも耳は何もしなくても周りの音が聞こえてくるように出来ています。
なのでわざわざ音を聞きにいこうとするのは、やり過ぎになってしまうのです。
ではどうすれば、演奏している時に音を自然に聞くことができるのか?
それは、自分の身体全体を意識して、ただ音が聞こえてくるようにすれば良いのです。
聞きにいくのではなく、聞こえてくると思うことです。
ここで、音を聞く時に一つ試してみてほしいことがあります。
あなたは、音は耳だけで聞くものだと思っていませんか?
物理的にはもちろん耳で聞くものなのですが、身体感覚的には違うんです。
音は、耳だけでなく、身体全体で聞くのです。
今日からそういう意識を持って、音を聞いてみてください。
そのように意識して音を聞いていると、音の高さによって、身体のどこが響くかなどの違いがあることがわかってくると思います。探求すると面白いですよ。
演奏していて、気づかないうちにテンポが速くなる、自分は音が聞けていないと思っている方、
是非、演奏している時に、音を身体全体で聞くということを意識してみてください。
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