こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。
僕のレッスンでは、レッスンの始めに「歩く」「立つ座る」といった日常動作をどうやって楽に自然に行うかということを見ていくことが多いです。
日常動作の中で、アレクサンダーテクニークを意識してもらうことで、自然に身につきやすくなりますし、土台となる身体の使い方はどんな動きにも共通しているので、日常動作が効率的に行えるようになることは、演奏などのパフォーマンス向上にもそのままつながるからです。
今回は、「楽に美しく歩く為に大切な足の使い方」についてお話しします。
以前の記事で、腰痛にならないマサイ族の身体の使い方についてご紹介しました。
参考:マサイ族は腰痛にならない話
その中でも、お伝えしたのですが、日本人とマサイ族の人の大きな違いの一つは、靴を履いているかいないかです。
マサイ族は、裸足で生活しています。
裸足だと歩く時、自然に足の指を使います。
でも靴を履いていると、足指を使うことを忘れてしまいがちで、足首を固定して歩くようになります。
脚の関節は連動して動くので、足首を固めてしまうと、その影響が膝や股関節の歪み、腰の痛みの原因になったりします。
そうならない為に、大切なことは、歩く時に足指も曲がるということを思い出すことです。
足指が曲がると、足首、膝、股関節がほぼ同時に曲がります。
そうすることで、歩く時に股関節、膝、足首、足指が連動して脚全体がスムーズに動くことができます。
脚の付け根の関節はこの股関節ですが、多くの人が、この股関節をあまり使えていません。
歩く時も、腰のあたりをひとかたまりにして、歩いている人が多いです。
そうすると脚はスムーズに動くことができず、腰や背中にも負担がかかりやすくなります。
でも本来、腰のあたり骨格は、骨盤と脚に分かれていて、歩く時は、脚の付け根である股関節から脚が振り子のように動きます。
足指が曲がることで、股関節の動きも良くなり、脚全体を楽にスムーズに動かせるようになります。
余談ですが、操体法という整体の体操の中に、足指と足首を曲げて脱力する「つま先上げ」体操があります。
(やり方についてはこちらを参照してください。)
操体法の創始者の橋本敬三先生は、この「つま先上げ」の体操を使って上手く身体の脱力を誘導することで、多くの症状を改善していたそうです。ほとんどこの体操しかやっていなかったとか。
それだけ足指の動きは身体全体に影響しているということだと思います。
歩く時にも、足指を柔らく曲げると、足首、膝、股間節、骨盤、背骨、頭とその動きが全身に伝わっていきます。
連動がスムーズにいくと、歩くたびにまるで全身がマッサージされるように心地よく歩けます。
皆さんも歩く時に「足指が曲がっている」ということを是非、意識してみてください。
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