こんにちは、アレクサンダーテクニーク教師の土橋健一です。
心が震える、表現者の想いが身体に響いてくるような演奏があります。
一方で、そうでない演奏があります。
この違いは何でしょうか?
今回は、「心に響く演奏とそうでない演奏の違い」について身体の使い方の視点からお伝えします。
どうして、あの人の演奏は心に響くのかというと、実際のところは言葉だけでは簡単に言い表せない様々な要素があると思います。
・音楽、曲に対する想い
・観客に対する想い
・その人の人生そのもの
など、表現者の全てが含まれるでしょう。
そこについては、その人の生き方の部分なので、僕がどうこうお話しすることはありません。
ここでお伝えするのは、演奏しているまさにその時の身体の使い方をどのように意識すれば、観客に届く表現になるのかということです。
せっかく良いものを持っていても、その時の身体や意識の使い方次第で、伝わり方は全然違うものになります。
では想いが届く身体の使い方とはどんなものでしょうか?
観客との距離や演奏している空間全体を意識する
会話は言葉のキャッチボールと言われます。
これは、もちろん言われた内容について、それに対応する内容を返せるかという意味でもあるのですが、
物理的な意味での距離感がつかめていることも大切なんです。
普通にキャッチボールをする時、相手との距離感はつかめていないとボールが手前に落ちたり、遠くへ投げすぎてしまいます。
会話も同じで実際に相手との物理的距離感がつかめていないと、言葉(声)が相手までしっかりと届かないということが起こるのです。
会話をしていて、よく聞き返されるという人は、この相手との物理的距離を意識すると声が届きやすくなります。
演奏する時も全く同じなんです。
観客との距離感をつかめていると、その演奏は相手に伝わりやすくなります。
この相手との距離感をつかめているということは、自分の存在と相手の存在をしっかりと意識できているということです。
それができていると、その場を共有できているという一体感が生まれるんです。
実際の演奏の場ではたくさんの観客がいるので、その演奏空間全体を意識に含め、観客の存在も意識に含めます。
イギリスのアレクサンダーテクニーク教師でチェリストのヴィヴィアン・マッキーさんは、イメージの中で手にひらに糸を乗せて、糸に息を吹きかけて自分と観客とを糸(観客の人数分の糸)で結ぶのよって言っていました。
面白いアイデアですね^^
あなたがやりやすいイメージで良いです。
大切なことは、自分と観客、空間全体を意識の中に含めることです。
そうすることで観客とその場を共有することができます。
観客の心に響く演奏するには、空間全体に意識を広げて観客との距離感を意識する、是非試してみてください!
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